緑洲山荘という名の
　　政治犯監獄

台東の30キロ東、太平洋上に緑島がある。

国民党が統治する前は、朝日に映えると燃えているように
見えるところから火焼島（かしょうとう）と呼ばれていた。

外来政権の国民党は、周囲20キロの孤島に政治犯監獄を造り、緑洲山荘と名付けた。
「九十九人の冤罪者を出しても、共産党のスパイを一人たりとも逃がすな」の標語のもと、一党独裁の国民党は台湾人を蹂躙した。統計によると、1950年代から1987年の戒厳令解除まで、2千9百余の政治事件が発生し、14万の人たちが連座し拷問を受け、そのうち3千から4千の人たちが処刑されたという。処刑を免れた人たちが緑洲山荘に収監された。

この時期は白色テロの時代と呼ばれているが、延べ17年間入獄していた柯旗化氏（1929-2002）の著作『台湾監獄島』、蔡徳本氏の『台湾のいもっ子』に詳しい。

この監獄が復活することがないよう祈ります。

河野利彦（撮影 2008年12月）

　　　　　* 関連サイト [ 緑島人権文化園区　2009緑島・平和・対話 ]